デザイン  Road Design Factory
イラスト  H. HAYASHIDA


第二歯 ミガくんの運動会

作 阿比留千代磨


イワシ雲が青空高く、そして気持ちのいい風、運動会です。

今朝からはりきってたミガくんですが成績は、・・・あらあら、あんまり気にしないことにしましょう。
お昼ご飯も終わって、わ、ミガくん、いきなり出番、がんばって〜。

つな引きです。 ミガくんは赤組、みんなより小さいのですぐにわかります。
あらいやだ、もう、ミガくんったら、歯ブラシを赤いハチマキにはさんで。
うん・・?
赤組の方がひとり多いのは、小さいミガくん、おミソってことかしら。

「わあ、このひも、大きいねえ、うまくつかめないよお」
「それに重くて、手のひらが痛いんだけど〜」

「つべこべ言わないの、がんばるだけがんばりなさい、ね、がんばろ」
ミガくんのとなりの女の子がはげましてくれますが、なんだかミガくん、不安いっぱい。
がんばれっ、ミガくん!

パ〜ン!
ピストルが鳴って、つな引きが始まりました。
それひけ、やれひけ、♪♪、
   ♪負けるな、負けるな、
      ♪わっしょい、わっしょい・・、
でもだめです、人数が多いのに赤組が負けているようす。
え?なに?

ミガくんは手が痛いあまり、つな引きの中から逃げ出してしまいました。
そしてなんと、ミガくん、歯みがきを始めました。
ミガくんは、歯みがきするといい考えが浮かぶんです。

ええええー、うそおおおお。
ちょっとまって、ミガくん、ただでさえ負けてるのに、あなたが抜けたら、あとのみんなはどうなるの?
赤組がドンドン引きづられていきます。

女の子が悲鳴をあげました。
「ミガくーん、なにやってるのよお、助けてよお」


そうだ!

「みんなあ、ボクの歯ブラシに合わせて引っ張るんだよ」

赤組は引っ張るリズムが悪かったのです。
みんながテンテンばらばら、思い思い に引いていて、力がまとまってませんでした。

イッチ、ニッツ!イッチ、ニッツ・・・
ミガくんの歯ブラシに合わせて引き始めると、どうでしょう・・・赤組がまとまり、勢いをつけてきました。
反対に白組 がばらばらになっています。

そうよ、そう、そう、その調子、赤組がんばれ〜。
きゃああ、逆転しそう。

え、なにするの?
ミガくん、どこ行くの?

ミガくんは、白組の方へトコトコと。
そして、白組もミガくんの歯ブラシに・・・・。

あああっつ、白組もまとまってしまいました。
うそでしょおおお・・・・・・。

ミガくんの運動会はイワシ雲の下・・・コスモスの花がゆれて。


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